知識も大切ですが、作業の手早さも重要になります。
花屋で重宝される人員のスキルとして、器用さ手早さが割と重視されます。
いくら商品の一つ一つのクオリティが高くても、作り終えるまでに時間が掛かり過ぎるのであれば、掛かった時間分経費が掛かるので作品からの利益が減っていきます。
その時間分を乗せた金額にしても喜ばれるほどの出来栄えであれば問題ありませんが。
器用さは持って生まれた能力の部分もあるので、こればかりはいくら訓練をしても限界があるのは仕方ありません。
これは絵画や文字、足の速さなどに近いものがあって、訓練によって多少は成長できても、生まれつき模写能力が高い、足が速いといった人にはどうしても分が悪くなります。
色彩感覚も求められます。
花という、もう既にそれだけで完成されている物を無理に組み合わせるのですから、色彩感覚も必要になってきます。
例えば「紫と黄色で構成されたパンジー」などをイメージして貰えれば良いですが、花そのものが、もう既に神が作り出した天然の完璧な配色で完成されている訳です。
それを組み合わせる事によって下手もすると「改悪」させてしまうのが花屋の仕事です。
作品、商品の中には成功する物があって「改善」とまでは行かなくても、悪くはないな…という商品が生まれます。
その成功例の確率を高めるのが制作技術であり、色彩感覚になります。
パソコンのスキル。
今時、花に付けるカードや名札を手書きしているところは殆ど無くなりました。
名札やメッセージカードは印刷して付けるのが当たり前の時代です。
それでは、そのカードを印刷するには?
そうです、当然の事ながらパソコンを使って作成します。
名刺大のカードからハガキ大、スタンド花用などになれば60㎝クラスの物まで印刷しなければなりません。
当然、多種多用なカードに対応できる様にパソコンを事前にセッティングしておく必要がありますし、何かのトラブルで印刷ができなくなった場合、別のパソコンを使ったり、修復作業を咄嗟にやる必要性も出てきます。
数時間後に控えたお通夜に納品する生花に付ける名札が印刷できない…などとなったら大問題です。
近くの花屋や葬儀屋さんに作ってもらえるくらいの関係性があれば良いですが、地域にあまり他のショップが無かったりする場合、自分一人で何とかしなければなりません。
特にパソコンそのものというより、ソフト内での設定がおかしくなった場合、特に用紙の設定などは非常に面倒で、最初から自分でやった人以外は修復させるのはほぼ無理となってしまいます。
パソコンに精通している人であれば問題なく直せますが、少し使える程度ではお手上げです。
その他にも注文の受発注だったり、商品写真をメールに添付して送る事を要求されたり、事前の見積りをメールでやり取りしたりと、今では当たり前の様にそれくらいの知識は求められます。
こうしてみると、花束やアレンジメントを作る技術だけではなく、その他のちょっとした事に関しても様々な技術を要求される事になります。
これがスタッフとして働いているのならば、得手不得手で店内で得意なスタッフが代わりにやってくれるのでしょうが、独立して起業した場合、全てにおいて自分で対応する能力が要求されます。
もしトラブルで間に合わず名札が付けられなかった…なんて事になれば、下手もすると代金の支払いを拒否されるだけでなく、損害賠償を求められるケースすら可能性としてありますので。
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