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花屋 フラワーショップの商品構成

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経営・文化系記事
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花屋を始めるにあたって、これから販売する商品群を知っておく必要性があります。
全体的なジャンルをマルチに販売をしていくのか? どれかに特化していくのか?
それぞれの利幅は?
などなど、長年の経験とこれまでの時代の流れを見てきた筆者が紹介していきます。

【商品ラインナップ】 種類を絞って特化して販売するのか?幅広く広げて販売するのか?

現代でも安定して注文のある商品は
①アレンジメント
②花束
となります。何だかんだ言っても王道中の王道の商品です。

この①、②に関しましてはお祝い事や誕生日用、その他にはお供え用(仏花)にも使用できるので汎用性が高く、色んな意味でマルチに対応できる商品ではあります。
金額は大きさや使用花材によって、3,000円~20,000円の価格帯になり幅がありますが、一番多い価格帯は3,000円~5,000円になります。
なので、1つあたりからの利幅自体はさほど大きく無く、数をこなす必要があります。

ご先祖様を大切にする家庭の方を顧客にすれば、毎月確実に仏花を買ってもらえます。
また法事やお墓花などの需要も見込めるので、サブスクリプション的な面で言えば、この仏花関連のお客様を確保できれば毎月安定した収入が見込める様になります。

③生花スタンド
これも「お祝い用」と「お供え用」がありますので、両方に対応が可能な商品です。
お祝いであれば開店祝いなどがメインとなります。
またスナックのママの誕生日や周年のお祝いなどにも贈られる事も多いです。

最近は式そのものが縮小傾向なので以前に比べれば大分減りましたが、「葬儀用の生花スタンド」は制作のし易さ、材料の入手のし易さ、高額な販売価格と、花屋の商品の中ではずっとドル箱商品として君臨してきました。
ただ、家族葬が増えてきた現在はアレンジメントに置き換わってきている感じを受けます。

また以前は会社の社長が就任中、または引退して数年で亡くなったりする事も多く、そんな時は社葬だったり規模の大きい葬儀になる事から、取引先などから大量の生花スタンドの注文が殺到したものですが、今では寿命が延びた事もあり、引退してから20~30年後に亡くなったりする事が増えたので、昔の様な大々的な葬儀というのは、かなり減った印象です。

花屋の経営スタイルとして、葬儀屋さんの下請けをして生活している人も多かった事から、その下請け依存度が年商の半分以上を占めていた場合、葬儀の減少と共に消えて行かざる花屋もあります。

④鉢植え
観葉植物、胡蝶蘭、家庭用の花鉢、ガーデニング用の花苗などのジャンルです。

この中で家庭用の花鉢は一般的な花屋では在庫しておくのはリスクそのものです。
仕入れのロット数がサイズにもよりますが、同品種で5鉢~8鉢での仕入れになる為、売りやすい価格帯(倍掛けくらい)で売っても半分残ったら終わりな訳です。
単一商品だけではなかなか売れないので、沢山の品種を陳列して、その中からお客さんに選んでもらうくらいのラインナップを揃えれば、尚の事ロスのリスクが高まります。

また花苗も市や町内、学校などの植え込み用に仕入れロット数(24~28ポット入り)で買っていただけるのであれば良いですが、1ポットずつ販売するのでは、これも原価を回収するだけでも至難の業になります。
それなのに朝晩筋トレの如く出し入れをしなければならず、時にはギックリ腰の原因になります。
これも通常営業の花屋で、1ポットずつバラ売りで販売するのでは、かなりリスクが高い商品になります。

観葉植物、胡蝶蘭などは、主に「開店祝い」「就任祝い」「新築・新社屋のお祝い」などのお祝いで使用され、金額も高い事から鉢物の中では割の良い商品になりますが、地域で規模の大きい花屋さんに注文が集中しやすく、新しい花屋さんにまで注文が回って来ないケースも多いです。

注文を貰っても、大きい花屋さんからの注文分として、仲卸市場が入荷した物をほぼ押さえてしまっている場合も多く、そんな時は折角注文を貰っても仕入れが出来ず、断ざるを得ないという事もあります。
例えば選挙の後などは、全国的に当選した事務所に大量の納品があったりすると一気に物が品薄になる場合があるので特に注意が必要になります。

過去には婚礼(結婚式)の仕事も多かったのですが

ブライダルの仕事も、今ではそこに特化した花屋だけが請け負っている状態で、バックマージンも業界内でトップレベルの為、婚礼事業から撤退する花屋も多く、代わって次に入った花屋もしばらく納品すると経営が苦しくなって撤退という事が多くなっています。

正直、ピーク時に比べると婚礼自体が数分の一に縮小しているのではないでしょうか?
これに関しては人口減少もありますし、全体的な景気低下で、結婚式に数百万円を支払う人達も激減したからだと思われます。
式場からは、花屋の粗利並み(40%~50%)のバックマージンを要求される事も多い事から、仮に売上は上がっても利益を残すのはかなり難しく、相当シビアにやっていかなければなりません。

それなのに、結婚式を挙げるお客さんとの商談にまで加わる様に要求されたり、雑誌に載っている特殊な花材のブーケを高額なバックマージンを支払いながら制作したりと、ブライダル関係をメインにして経営している社長の話しを聞いているだけで、よくやっていけてるな!と思わされます。

ガッチリと花業界に携わった事のない人が、昔の感覚のまま良く調べもせずに書いているサイトやブログでは、未だに
「これから花屋をやるには結婚式場などと業務提携したりするのが必要。」
なんて無責任に書いてあったりしますが、正直今では関わったら時間もお金も仕事も引っ掻き回された上、最後に肥やしにされて潰されると思ってもよいくらいのジャンルですので、よほどしっかりした経営計画と、少量の材料で顧客が納得する物を制作する技術を持ち合わせていない場合、初めから関わらない方がよいジャンルだと言えます。

いけばな教室、フラワーデザイン教室への納品

いけばな教室、フラワーデザイン教室への定期納品。
このジャンルも過去には究極のサブスクリプションとして君臨していたジャンルです。
大きな教室や大きな流派の支部などへの納品が確率されていれば、それだけで十分に食べていけるだけの安定した売り上げが見込めました。

30年ほど前であれば、そのルートが確立された大口の納品先を持っている花屋達の間では
「毎日のこれが基本給、それ以外に突発的に入ってきた仕事はボーナス。」
などと言われていたくらいです。

昭和の頃であれば、習い事は「花とお茶」などがメインでしたが、現在では多種多様なジャンルがカルチャースクールなどで習える様になり、また景気が良かった頃は福利厚生として会社に華道部などがあったりもしましたが、景気が低迷すると真っ先に削られるのもこういった部分であり、個人で習う人も含めて年々減少を続け、今ではピーク時の半分以下どころか20~30%くらいの人数になっています。

納品業者も特殊な知識を必要なジャンルでもあった事から、一度納品業者に制定されると独占できるジャンルではあったのですが、パイが小さくなってきている今では、これだけで食べて行くのは不可能になってきています。
また、その業界が縮小すると、それ専用の特殊な花材も作られなくなる事から、今では入手困難な花材も増えてきており、ますます納品が難しくなってきています。

中から効率のよい仕事を選んで行けば、まだ食べては行けますが

今の花業界ですが、贅沢な生活を望まないのであれば、まだ食べていけるとは思います。
ただ今後、生産者を含め廃業が増えてきたりすると供給が難しくなったり、それよりも先に需要の方が急激に減ってきたりと時代の流れを常に見ながら冷静に経営していく必要性は出て来るでしょう。

今までの様に、今日安かったから多めに買った!とか言って、安い価格設定で店頭に並べておくだけで商売が成り立っていた30年前と今とではまるで違うという事です。

花屋の淘汰が先が、需要が減るのが先か、今後の経済の流れも含めて判断が難しくはなってきています。
とは言っても、花が好きな人にとっては、これで食べていけるのは幸せな事なので、皆様ができるだけ花屋として生活していける様に、情報を発信していきたいとは思っています。
但し、良い面だけを書いて夢だけを見せてしまうのも申し訳ないので、現在の花卉業界の内面もしっかりと偽らずに伝えていこうとも思っています。
なので多少なりとも厳しい意見の記事があるのもご了承下さい。

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