食べては行けるのでしょうけれど
儲かるか?とハッキリ聞かれたら、それほど儲からないとしか言えません。
食べていくくらいなら可能かもしれないけれど…というレベルでしょうか?
スタッフ全員が年収500万円なんてのは、夢のまた夢です。
地域差はあるかもしれませんが、正直言って社長ですら年収500万円を取っている花屋は少ないのではないでしょうか?
多少の経費が認められているので、通信費や電気代、ガソリン代や車両費などは公私混同で何となく少しは得してる気分は味わえるかもしれませんが、実際の所得としてみたら一般サラリーマンと比較してかなり少ないのが現状です。
実際のご注文のケースでシミュレーションしてみると
例えば誕生日用のアレンジメントのご注文を頂いたとします。
さらに配達してほしいという依頼です。
金額は3,300円(税込み) お届け時間 午前中希望
花屋の配達の特徴として、自宅用であればまだ良いのですが、ギフト用の確率も高くなります。
ギフト用であれば注文主と配達先が違うという場合がほとんどです。
注文主としては、できるだけ早めに届けてもらいたくて午前中の配達を希望したとしても、お届け先の受け取り人が午前中に在宅している保証などどこにもありません。
そこで在宅確認の電話をしますが、今は特殊詐欺の被害が多発しているお陰でなかなか電話にすら出てくれないケースが多いです。
これは受け取り先の年齢が高ければ高いほどこの傾向にあります。
何とか携帯電話に出てもらえても、出掛けていたり仕事に行ってたりして、夜の7時以降にしか家に戻らないと言われたりもします。
さらに不思議な事にその納品日が自店の定休日だったとしても、何故か花屋には無理にお願いしてくるお客様が多いのです。
誕生日だから他の日ではダメなので、どうにか引き受けてほしい…と。
いつも注文を頂くお客さんだから…と渋々引き受けると上記の様な状況になるケースが多々あります。
午後から元々の自分の予定があったので、午前中であれば…と引き受けたのに、連絡が付くと夜の7時にと言われ、結局自分の用事をドタキャンする事になってしまうなどいう事は花屋をやっていると頻繁に起きます。
そして、この3,300円の取引をシミュレーションすると
原価率60% 3,300円×0.6=1,980円
粗利 3,300円-1,980円=1,320円
これは自分一人で完結した場合であって、もしどうしても自分が出席しなければならない用事があったりした場合、当然スタッフに頼む事になります。
通常は定休日だったので、代わりに出てもらっただけで休日出勤分の給料を支払わなければならなくなります。
これが定休日じゃない通常の営業日だったとしても、6時閉店の店の場合、7時までの一時間の残業代とガソリン代でもう既に儲けは無くなります。
これでは仮に500円の配達料を貰ったとしても合いません。
それでは1,000円以上の配達料を別途貰えるのか?という事になります。
初めから夜の7時というのが分かっていたのであれば夜間配達料などとも言えますが、最初は午前中指定だったのでなかなか高い配達料を貰いにくいのです。
しかも3,300円の商品に対しての配達料ですから尚更です。
このような仕事をいくら積み重ねても、利益になり難いのはお分かり頂けたかと思います。
来店して頂いたお客様が店内にある在庫の物を買って自分で持ち帰ってくれる。
これが基本中の基本であって、正直これ以外にしっかりと利益を出すのはなかなか難しい仕事です。
なので前回の記事に書いた「技術料」という付加価値がどうしても必要になってくるのです。
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