祖先が食べてきた主食を摂るのが健康の元となります。
日本人の祖先が長い間食べ続けてきた食材が「米」。
米と言っても「玄米」が主食として食べられてきました。
白米を食べる様になったのは「江戸時代」からで、重要なミネラル分を取り除いて食べやすくした白米は、おいしいけれども栄養成分(ビタミンB1)が不足して「脚気」などの神経系の疾患を引き起こしました。
脚気は「江戸わずらい」とも呼ばれました。
現代では、おかずも豊富にある事から、それらのおかずからビタミンB1を摂取する事が可能ですが、当時はおかずは多少の根菜くらいで、主食の米を多く食べるという食生活だった為、ひたすら白米だけを食べる事になってしまい脚気が発症していました。
現在ではおかずが豊富にあるとは言え、おかずの種類によっては、また偏食の方などは思ったほど十分な栄養素を摂取できていない場合もあります。
精製された炭水化物(白米・パンなど)だけの食生活では、どうしてもビタミンB1が不足してしまいます。
それであれば、毎日の主食を食べるだけでビタミンB1が摂取できる「玄米」や「麦飯」がおすすめになってくるのです。
成人女性では、玄米を毎食1膳ちょっと食べるだけで、ビタミンB1 やB6に関してはほぼ1日分を摂取できてしまいます。
また強い抗酸化作用があるビタミンEも白米の5倍含まれ、食物繊維も白米と比較すると4.6倍も含まれているので整腸作用にも効果が期待できます。
ヨーロッパ人は、祖先が小麦と肉を食べる習慣
ヨーロッパ人は小麦と肉(羊肉)などを食べてきた歴史があります。
やはり、その土地で取れる穀物と動物(肉)を食べるというのが当然のことながら主流になります。
最近では日本人もパンを食べる人が多くなっていますが、やはりベースとなっている体質としては米の方が合っている人種と言えます。
ヨーロッパ人は小麦を精製した粉にしてパンや麺などを作り、牧畜によって飼われた動物から肉を取り、小麦と肉をメインとする食生活が続いてきました。
なので小麦が主食で、おかずは肉、お酒はワインという生活スタイルが合っているという事ですね。
やはり日本人は、米と魚と根菜類。
日本人が合う食生活は?というと、やはり米を中心としておかずは魚に味噌、醤油、納豆などの発酵食品、そこに豆類や根菜類、お酒は米を原料とした日本酒が適しているという事になります。
やはり本来の日本人の体質に合う食生活をする事で体内の環境が整ってきて、はじめて本当の意味での健康体になっていきます。
例えば運動だけで脂肪を落とそうとしても、それは外側だけの話しであって、やはり根本的に健康体を見直すには食生活で内側からの改善が何よりも大切になります。
明治時代~大正時代にかけて、友好国のドイツからベルツ博士という医者が来日していて、明治天皇や大正天皇の侍医(天皇・皇族・貴人づきの医者)を務めていました。
ベルツ博士は江戸から日光東照宮まで観光に行く事になり、舗装されていない道を何度も馬を乗り換えながら丸2日掛けてようやく日光に到着しました。
そして江戸に戻ったベルツ博士は、人力車の車夫から、過去に何度か日光まで人を乗せて走ったと聞かされました。
その話しを疑っていたベルツ博士は、実際に日光まで乗せてもらう事にしたところ、馬でさえ何度も変えなければならなかった道のりを同じくらいの時間で走り切り、その体力に驚いて、車夫に普段の食生活を聞いてみたところ
「玄米、味噌、漬物、豆、芋、栗、野菜、時々イワシなど。」
と答え、そんな粗食でこれだけの体力が生まれるのであれば、ドイツの化学的な栄養学を元に肉、牛乳、乳製品などを食べさせれば、もっと凄い体力が生まれると考え、たんぱく質中心の食事を与え続けたところ、疲労が激しくなり、2週間くらいで体重が落ちて走れなくなってしまいました。
車夫から元の食事に戻してほしいと懇願され、元の玄米などの炭水化物を中心にした食事に戻してみると、体重は戻り、また走れる様になったという逸話があります。
やはり、机上の空論の栄養学だけでは分からない事があるのです。
人種、土地、元々の食事環境などで、それぞれに合った食事環境というものが存在します。
できるだけ本来の食事環境にならって、体調管理していこうというのがこのブログの趣旨となっています。

白米に玄米やもち麦、雑穀米などを加えて食べることから始めましょう。
先ずは白米に玄米やもち麦を足して食べ続けるところからスタートしましょう。
いきなり玄米食に替えても、食べ難いだけではなく、食事そのものに楽しみを見出せなくなるのでは本末転倒です。
食べておいしいと感じる量からスタートをして、慣れてきたら徐々に玄米の配分を増やしていけば良いですね。
そこに、肉を減らして魚を増やし、納豆や味噌汁、根菜の煮つけなどを積極的に増やしていけば、自然と腸内環境は改善されていきます。
戦後、欧米化した食生活によって米の消費は半減し、肉を食べる量は5倍になったと言われています。
本来は雑食とはいえ、草食動物に近い食生活を送ってきた日本人がいきなり肉食動物の食事に変わった様なものですから、少なからず体への負担は増えていると言えるでしょう。
いきなりでなくても良いですので、主食から少しずつ見直していき、本来の日本食中心の食生活に近づけていく事をおすすめします。

