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花を使った文化や技術体系。「いけばな」「フラワーデザイン」

技術系
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花を使った技術体系として主なものには、日本古来の文化に根付いた「いけばな」、昭和後期に入ってきた「フラワーデザイン」に大別されます。

文化としての花。いけばな。

池坊、小原流、草月流を中心として、そこから派生した流派のいけばな教室があります。
特徴としては花器や剣山などは通常のお稽古では規定の物を使う為に、掛かる費用は花代と月謝くらいになります。

活ける為につかう備品も剣山や七宝など何度も使いまわせる物を使用する為、フラワーデザインの様にその都度「吸水性スポンジ(フローラルフォーム)」(開発したオアシス社が有名で、吸水性スポンジをオアシスと呼ぶ事も多い。)を用意したりする必要が無いので、多少はコストが安くなります。

流派によって花を挿すポジションの呼び名が違いますが、基本的には上段、中段、下段の3カ所で構成され、上段部分に枝物、中段部分に花物、下段部分には葉物を使用して構成するケースが多いです。

昔は花嫁修業の一環と認識されていて、景気が良い頃には会社の福利厚生で華道部などもありました。
生け花の先生達も会社から支払われる指導料があったので、やりがいはあったと思います。
現在は高齢になった数名の弟子達と自宅兼お稽古場で、お茶飲みしがてらまったりとお稽古をしているといった感じになりつつあります。

一時期はいけばなを駆逐する勢いがあったフラワーデザイン。

いけばなが花を使った習い事として長年君臨していたところに風穴を開ける勢いで入ってきたのが「フラワーデザイン」でした。

目新しさに加えて、日本の景気も上昇中の真っ只中だった事もあり、瞬く間に普及していった記憶があります。
中には従来の「いけばな教授」がフラワーデザインを勉強して「フラワーデザインの先生」へと鞍替えしたケースもありました。

そして、女性中心の社会でもある事から、長期間の冷戦が始まります。
どちらが上か、どちらが綺麗か、どちらが優れているか。
結論の出ない戦いが長きに渡って続いていきました。

その関係性のまま時代が進み、いつしか新鮮で先生達の年齢も若かったフラワーデザインの世界も、先生達の高齢化に伴い初期の勢いが衰えてきました。
個人的な勝手な思い込みとしては、長期戦になればなるほどフラワーデザインの方が若干分が悪くなってくる感じがしていました。
探求心のある生徒はドンドンと進んでいきますが、そうでない普通の生徒にとっては、数年間レッスンに通うとマンネリ化してきてしまう傾向にあります。
クリスマス前になるとリース作りとかを数年続けてやると飽きて来るというか…。
この辺りに関しては、いけばなの方がお稽古事として一日の長があるというか、明確な技術に対しては「侘び寂び」で煙に巻ける感じを持っているので長期間続けさせる事ができるカリキュラムを持ち合わせている感じも受けます。

そのうちに段々と資格を取る為に習うという感じになってきて、NFDや国家検定用の練習が中心のレッスンになります。
こうなってくると色彩や感性というより、時間内に規格通りのサイズ、規格通りの挿入角度で仕上げるという練習になります。
これはこれで大切な技術ですが、趣味としてのフラワーデザインというより花屋スタッフ育成に近い感じになってきます。
まあ、これによって趣味としてのフラワーデザインから花のプロになれるのであれば、社会的に見ても良いのかもしれませんね。
高校球児がプロ野球選手になりたい様に。

花屋として商売をしていく上では

自分自身が両方ともそれなりの域に達するくらいの技術を持ち合わせておけば申し分ありませんが、少なくともいけばなやフラワーデザインの先生の話しに追従できるくらいの知識は必要になります。

まあ、うちはそっち系は全然分かりませんのでやっていませんと言えば、そういった先生方は来店しない店になるので良いのですが、後発で花屋を始める場合はそのニッチな面は多少の売上に繋がる可能性はあります。
普通の商品だけを扱っていれば「価格競争」「技術競争」に巻き込まれるので、特殊な知識でそれらをかわす事が可能になるからです。
ただ多少論破できるくらいの知識が無いと、先生方の言いなりになってしまって仕入れロスを増やす結果にもなります。
この辺りの見極めは大切にはなってきます。

現在では、このレッスン教材の納品業者が高齢になったり、後継者不足で廃業したりし始めているので、割とどちらの業界でも納品業者探しに奔走しています。
またここからはさらに納品業者が減っていく事が見えているので、ビジネスチャンスの一つとしてはありかもしれません。
特に起業したばかりのショップが一番欲しい「毎月の安定した収入」。
つまりサブスクリプション業務の獲得としては一つの例として知っておいても良いと思います。

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