これまで花屋を支えてきた物日
代表的なもので「母の日」「彼岸(春・秋)」「盆」「正月(年末商戦)」「年度末(離任・異動)」「卒業式・入学式」などが挙げられます。
この中で、ある程度今でも機能していると思われる物日は「彼岸(春・秋)」「盆」「年度末(離任・異動)」くらでしょうか?
一般的に「母の日」などは花屋のイベントとしてまだ認識されているとは思いますが、内側から見た感じではやはり30年くらい前の平成の始めくらいがピークで、そこから緩やかに下降を続けてここ10年くらいでは一気に下がりました。
これは「花屋」として見ればでして、多少はまだ大手スーパーの花売り場などでは需要はあるのかもしれませんが、それでも低下している感は否めません。
第一段階として、花屋のイベントから資本力のある大手スーパーのイベントへと移動し、大手スーパーでのイベントになった事で専門性や技術やデザインの差が希薄になって、毎年同じような「鉢植え」や「量産が可能な単純構造のアレンジメント」などが主流になる事で飽きられてきたというのが現状でしょう。
そもそも、「花の日=カーネーション」というよりも、ゴールデンウィークに隣接している事から、一緒に食事に行って終わりだったり、他のギフト商品に変わっていったという事もあります。
仏事のイベント
仏事のイベントとしては「彼岸(春・秋)」「盆」がメインになります。
そこに各家庭の法事などが加わります。
「盆」に関しては実家への帰省で墓参りに行く事が多いので需要はありますが、基本的に単価が低いのが墓花です。
それに対して需要期は仕入れ相場が倍ほどになったりもします。
特に夏場は暑すぎたり、雨が多かったり、台風被害などで凶作になりやすく、物の品質が落ちるのに仕入れ価格だけ暴騰する危険性のある時期です。
高い仕入れをして客単価の低い商品を販売せざるを得ない為、忙しさの割に仕入れ代金を払うと驚くほど残らないという結果にもなりやすく、そこに従業員なども居ればボーナスの支給などで月の試算表では赤字を出す可能性も十分にあります。
「盆」の時期はその数日間はとてつもなく忙しいのですが、前後の週が基本的に暇なので、その数日間だけでは一ヶ月というスパンで見た場合、売上不足に陥ります。
そこにボーナスと数日間の残業代が加算されますから、忙しい割になかなかお金を残すのが難しくなります。
「彼岸(春・秋)」は単純に盆の売上の半分くらいの需要になります。
盆と違って帰省してまで墓参りに行ったりしませんし、昔からしっかりと仏壇やお墓に花を供える習慣のある方だけが買ったりするケースも多く、そういった顧客を持たない花屋にはあまり関係の無いイベントにもなります。
特に秋彼岸は盆から一ヶ月後くらいなので、特にそういった傾向が大きくなります。
春彼岸は地域によっては「大雪」になる場合もあり、秋彼岸は「台風」の可能性も出てきます。
そういった気候変動とかち合った場合には売上は壊滅的な事になってしまう危険性があるのが彼岸の時期になります。
卒業式・入学式・年度末
ここも関係のある花屋にとっては一大イベントになりますが、その地域の学校の数が限られている為、注文を受けた花屋以外には関係の無いイベントにもなったりします。
3月は特に仕入れ原価が年間を通しても最も高騰する月なので、殺人的な忙しさで仕事をこなしても、やはり仕入れ代金を支払うと思ったほどお金を残せない事が多くなります。
この様に基本的に花屋の仕入れは、忙しい時期に確実に高騰するものです。
生産と需要のバランスが何十年経っても取れていないのが現状で、なかなか上手くできない部分なのでしょう。
ここがクリアできない限り、花屋が儲かるというのは今後ずっと難しいままの気がします。
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