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花屋の閑散期と繁忙期のギャップ

仕事・花業界 関連
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売上のギャップ。これがかなり頭を悩ます原因のひとつです。

定期で購入して頂ける顧客や法人、その他団体等の販売ルートを持たない花屋にとって、閑散期の平日は本当に暇そのものになります。
売上の金額もゼロから数千円といった感じでしょう。
それでも家賃は掛かりますし、人を雇っていれば人件費も掛かります。
仮に暇だからと店を閉めても、同じように家賃や人件費は掛かるので、抑えられるのは仕入れ代金くらいです。
しかも開けていれば入ってきたかもしれない高額の注文を逃すという機会損失があるかもしれません。
この「かもしれない」があるお陰で、お客さんが一人も来ないまま夕方まで店に居るという事になったりします。

そして、その間にも生ものである生花は刻一刻と劣化したり開花したりしていきます。
それによって売ってもいないのに、また新しい物を仕入れなければならないというジレンマに陥ります。

反対に繁忙期は?というと

これに関しては、地域の仕事や顧客の数にもよりますが、平日の10倍や20倍の売上になる事も珍しくありません。
通常一日の売上が4万円前後のショップが、繁忙期のピークの日には一日50万円を超えてきたりします。
それが数日続くと、繁忙期の数日間の売上総額が150万円とかになってきます。
ここだけ切り取ると良い話しに聞こえますが、その金額を売る為には、それなりの量と金額の仕入れをしなければなりません。
しかも、大半が売掛の仕事だったりすると一時的に100万円近くの仕入れ金額を立て替えて支払う力も要求されてきます。
そして、これが完全に事前注文分ならまだしも、去年の売上を基準に見込みで仕入れる事になります。
生ものを見込みで100万円分購入するにはかなりの勇気がいるのが分かると思います。

花屋を経営された事が無い方からすれば、売切れたらその都度、仕入れれば良いのでは?と思われるかもしれませんが、ある程度の数を確保するには数か月前に市場に注文を入れておく必要が出てきます。
また市場に在庫があったとしても、繁忙期の猫の手も借りたいほどの忙しさの中で、市場に行く時間すら割けない事も多くなります。
さらに、仲卸に残っている在庫も注文品で高額仕入れをした在庫なので、当然の事ながら高いものがほとんどです。

数を確保する為に、数カ月前に注文を入れていれば数は揃いますが、注文価格の為に通常の相場より高い仕入れ価格になります。
また、安全策として注文を入れていたら、その後に相場が落ちて、注文価格の半値近くになってしまう場合もあります。
しかし、相場が下がるのを期待していると、台風や雨不足などの急な天候不良などで丸っきり市場に出なくなる事もあります。
そうなると品物を手に入れる事すらできなくなるので、ある程度の顧客を持っている人にとっては、「保険」として高額の注文品を確保する必要性が出てきます。
ギャンブルだけでは長年戦えないからです。

そして繁忙期には人が数倍欲しくなるほど忙しくなります。
日にちと時間が限られているので、時間に間に合う様に納品するためには朝7時前から夜中の2時、3時まで仕事をし続けなければならない場合も多々あります。
しかし、経験者でなければ花を作る事もリボンを作る事もラッピングをする事もできないので、急に雇ったバイトでは配達と床掃除くらいしか仕事が無くなってしまいます。
結局、ただ居ても時間給だけ掛かるので早く帰す事になり、オーナーを含めた通常のスタッフだけはずっと忙しいという状態になります。

忙しい時期にこれだけ仕事をしても、閑散期に相殺されてしまう為に、以前の記事でも書いた様に年収は200万円の様な感じになってしまうのが花屋の辛いところです。

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