腸は体の中でも、かなり重要な臓器になります。
腸は思ったよりも重要な臓器で、植物は光合成にて栄養素を作り出し、動物は消化する事で腸から栄養素を吸収する形に発達してきました。
脳の無いクラゲやイソギンチャク、ヒトデなどにも腸は存在し、生物が進化の過程で最初にできた臓器が栄養素を吸収するための「腸」と言われています。
そこから他の臓器が形成されて最終的に脳ができあがりました。
つまり脳を持たない動物は、代わりに腸を使って体を守っています。
どのようにして守っているのかというと、体に害な物が侵入した際に、下痢などを起こして雑菌や毒素を強制的に排除する反応を体に起こします。
脳が進化した動物は、有害なものが体に入る前の段階で「腐っていそう。」と見た目で判断したり、においを嗅いで判断することができます。
それでも体に菌や毒素、ウイルスなどが侵入してしまった場合に、下痢や嘔吐で強制排除の反応が出て、体を有害な物質や菌から守ります。
また、食べ物が体内に入ってきた際に、腸がそこから抜き出せる栄養素を判断して吸収し、吸収が終わって栄養素の無くなった食べ物のカスを分析、判断して便として体外に排出させる役割を果たしています。
腸は思いの外「賢くて重要な臓器」なのです。
積極的に腸活を行っていきましょう!
腸内環境を整える大切さ。
ほとんどの食材を「生食」していた時代は、消化の為に今よりも腸は重要な役割をしていました。
今よりもずっと消化に時間が掛かったので、腸も長くて太くなっていました。
特に人類は、その後に火を使う事ができる様になり、調理という概念が生まれた事で、消化が楽になり、その結果、腸の長さが短くなったり細くなったりと退化し始めてきています。
それでもまだまだ体内では重要な臓器である事に変わりはなく、体調管理において腸内環境を整える事は非常に大切な事です。
食べ物の栄養素を判別できるくらいに考える機能が備わっているからです。
これが腸が「第二の脳」と言われる所以です。
腸内環境を整えましょう。「短鎖脂肪酸」の生成を促す。
肥満を防止すると言われている「短鎖脂肪酸」。
その他にも重要な役割を持っています。
短鎖脂肪酸を増やす為には、大腸での生成を促すために「食物繊維」や「発酵食品」などを積極的に摂るような生活スタイルに変えていく必要があります。
食物繊維の種類の中で「腸内の善玉菌のエサ」になるのが、水に溶けた際にドロドロのゲル状になる「水溶性食物繊維」で、海藻、納豆、オートミール、大麦、オクラなどに多く含まれます。
中でも大麦に含まれているβグルカンは、腸内菌によって発酵する発酵性食物繊維で、腸内にいる善玉菌が発酵性食物繊維を分解、発酵させると「短鎖脂肪酸」という酸性物質が作り出されます。
短鎖脂肪酸には悪玉菌の増殖を抑え込んだり、腸内の免疫力を上げたりする働きがあるほか、糖や脂質の代謝を促す効果があり、そのためダイエットにも有効な物質と言われています。
そのような観点から、大麦は手軽に食べられる食材の中で、ダイエット効果のある食材だと言われています。
また、オクラには全体的なネバネバの中に含まれている水溶性食物繊維(ペクチン)の他に、中に入っている小さな種にも疲労回復や睡眠の質の向上などに効果のある物質が含まれているので、積極的に取り入れていきたい食材です。
オクラが市場に無い時期は、冷凍食品でも効果が得られます。
積極的に水溶性食物繊維を摂取して短鎖脂肪酸の生成を促し、腸内環境を整える事で正しいダイエット効果を得ていく生活スタイルを目指しましょう。
腸内環境を整える① 水溶性食物繊維を摂る
体の内外からアプローチする事でダイエットの効果が増します。
運動やカロリーコントロールにばかりに目がいくダイエットですが、まずは前提として体を健康に保つことで代謝が上がり、脂肪を溜めこむ事を抑える働きを促します。
脂肪を消費させると同時に、脂肪を蓄える動きを抑制する事で相乗効果が得られます。
いくら脂肪を燃焼させる方に集中したとしても、体の中でどんどん脂肪が生成されてしまっては効果が薄くなるという訳です。
その為にはまず食事から見直して、水溶性食物繊維を積極的に摂って「善玉菌のエサ」を腸に送りこんで腸内環境を整えていきましょう。
腸内環境を整える② 不溶性食物繊維を摂る
水溶性食物繊維がゲル状になって腸内の善玉菌のエサとなる事は分かりました。
それでは水に溶けにくい「不溶性食物繊維」はどの様な働きをするのでしょうか?
不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質により、溶けずに水を吸収して膨らみます。
この膨らんだ不溶性食物繊維が腸内の壁をチクチクと刺激する事で、腸の蠕動運動が活発になり便通を良くする働きがあります。
ただ摂り過ぎると便が硬くなりやすく、逆に便秘の原因になってりもするので、いきなり多く食べ過ぎない事です。
水溶性食物繊維は逆に便を柔らかくする効果がある事から、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」はバランス良く摂る事が大切になります。
不溶性食物繊維は食感が硬い物が多いので、よく噛んで食べる事で満腹中枢が反応して食べ過ぎを防止する効果がありますし、水溶性食物繊維はゲル状でゆっくりと腸内を進むために食欲の抑制にも繋がります。
つまり両方の食物繊維をバランス良く摂取する事で、体内からのダイエット効果が期待できるという事です。
腸内環境を見直しながら、運動を併用してダイエット効果を高める
これまで書いてきた様に、先ずは体内の環境、特に腸内環境を整える事で食欲を抑制したり、不要な便を排出させて体内を綺麗にした上で、運動などによって外からのアプローチをしていくのが良いですね。
健康な胃腸があってこそ、摂取したたんぱく質も吸収されやすくなり、トレーニングの効果も出やすくなります。
体内(食事、腸活)、体外(有酸素運動、ウエイトトレーニング)の両面に気を遣いながら、健康的にダイエットしていきましょう。