PR

仕入れの方法 セリ買い

仕事・花業界 関連
記事内に広告が含まれています。

買参番号を取得してセリ場にて直接買い付ける。

セリでの仕入れ。
仲卸市場で手数料が加算された金額で仕入れをしている花屋にとって、1本の単価が安く仕入れられるセリでの仕入れは大変魅力的に見えます。
それでは、セリでの仕入れが実際にどれだけお得なのか?
どういった販売スタイルの花屋が、セリでの仕入れに向いているのか検証していきましょう。

確かに「1本での単価」で考えれば最も安く買える可能性があるのが「セリ」での買い付けになります。
但し、規定のロット数で購入する必要がある為、1ケースでの購入が基本になります。

ここで「バラ」を使って単価をシミュレーションしてみましょう。

仲卸の価格 1本単価150円 10本から購入可能。
単価は当然ながら150円+消費税=165円
支払い総額 165円×10本=1,650円になります。

セリでの買い付け 1本単価100円 購入ロット40本。
単価は3分の2の100円+消費税=110円
支払い総額 110円×40本=4,400円

この様に「1本単価で見るか、合計の支払い総額で見るか」で仕入れが変わってきます。
仮に1本単価を倍の価格で販売するとしたら、仲卸で購入したバラは、150円(仕入れ単価)×2(倍)の300円+消費税で販売になります。
セリで購入した物であれば、200円+消費税から販売できるという事です。

セリの買い付けのメリットとしては、仲卸で買った場合と同じ値付けで販売できれば、より儲けが大きくなるという事です。
但し、高値で40本を売り切るショップの販売力が必要になってきます。

もしセリで買った金額(支払い総額)で、半分売れ残ってしまった場合、1本単価は上記の例で言えば4,400円(仕入れ総額)÷20本(実売本数)=220円となり、仲卸で150円+消費税の165円で購入したよりも1本単価が高額になってしまうという事です。

なので、販売力が低いショップでは、仲卸市場から多少高くても必要本数を仕入れた方が得になるという事が言えます。

セリの方が価格が安いものの、若干残り物感も否めない。

水は低い方へ流れますが、花は高い方へ流れます。
当然ながら年間買付量の多い仲卸市場が優先的に仕入れをし、多少高くても良い物を先に取れる傾向にあります。

つまりセリ用に残ったものは、最上級の物が仲卸市場によって抜かれた後という事も言えます。
まあ、これはあくまでも花の需要期の話しであって、閑散期に関しましては上物もセリに出てきたりもしますが、仮に閑散期に上物が安く買えたとしても需要期の様に売れませんので、結果的に売れ残してしまう事になり、残った分の1本単価は上がっていく事になります。

また、セリでのロット数ですが、先ほどのセリで買ったバラは基本的に同色になります。
つまり40本入りなら40本、50本入りなら50本全てが同じ色になるという事です。
もう一色欲しいとなると倍の80本、100本の仕入れになってしまい、ますます売り切るのが難しくなります。
量は少ないですが「数色ミックス」での出荷もありますが、良い物のミックスというより残った物を詰め合わせた物も多く、中には要らない色が数色混ざっていたりもします。

それであれば販売力が低いうちは、多少1本単価が低くても、仲卸から各10本ずつ買った方が良いという事になります。

セリでの仕入れに向いているショップは?

  • 葬儀などまとまった仕事が定期的に入ってくるショップ。
  • いけばなやフラワーデザインなど定期的に毎日の納品先が決まっているショップ。
  • スーパーなどの花売り場に多店舗展開しているショップ。

などがセリでのロット買いに適したショップという事になります。

逆に個人でやっているショップや規模が小さいショップは、仲卸市場で仕入れをした方が効率が良くなります。

支払総額で考えるのか?
または1本単価で考えるのか?

この辺りを十分に検討して、どちらでの仕入れを選択するのかを決めていく必要性が出てきます。

セリで購入できる権利を得るには

通常、起業をして仲卸市場で花を仕入れながら経営がスタートします。
仲卸市場での年間購入実績が規定の金額を超えると「買参番号」を発行してもらえる様になり、その買参番号のプレートが付いた制帽を被る事でセリに参加する権利が与えられます。

ここに関しては、既定の仕入れ金額を超えるまでの期間が、各ショップの販売力によって違ってくるので、どれくらいの期間で買参番号を取得できるかはショップ毎に違ってきます。

なので、最初からいきなりセリでの購入ができる訳ではないというのを知っておく必要があります。

買参番号を取ってから、どちらの仕入れ方法が良いか?という選択ができるようになりますので、それまでは多少高くても仲卸市場で仕入れて、経営を続けていく必要性が出てきます。

買参番号を取っても必ずセリ場に上がる必要はなく、番号を持っていても引き続き仲卸市場で仕入れをしている花屋さんも多くいます。

タイトルとURLをコピーしました