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花業界の年収はいくらくらい?社長は?スタッフは?

目次

花屋を起業した場合どれだけ儲かるのか?花屋に就職した場合の給料体系は?

花屋を始める、または花屋に就職をするにあたり、まず気になるのは年収や年商、スタッフとして働くのであれば給料ではないでしょうか?

「金融業」や「建設業」など世の中には大きく分けて色んな業種があります。
その中で花屋という職業は「小売業」に属します。


同じ花業界でも市場や仲卸市場の場合は「卸売業」となります。
このブログを読まれている方で、純粋に花屋を目指されている方は「小売業」、市場や仲卸市場に働きたいと思っている方は「卸売業」として花業界に携わる事になります。

この「小売業」の方ですが、基本的には他のジャンルに比べて低所得の業界に位置します。
仕入れがあって、それを加工して販売する商売です。
売上総利益(粗利)から経費を引いてという手順で利益を追求するスタイルの為、仕入れ価格にも左右されやすく、安定して大きな利益を出し続けるのはなかなか難しいジャンルとなります。

とどのつまりは、全てが売上総利益(粗利)で決まります。

高所得業界と低所得業界がありますが、その差を決定づけているのが売上総利益(粗利)です。

年間の粗利益がいくら取れるかで、その業界の年収は、ほぼ決まっていると言っても過言ではありません。

よく「年商何十億の企業の社長!!」と、さも凄い事の様に紹介されたりしますが、卸売り業などであれば「売上」に関しては大きくて当然です。
低い粗利(10%〜20%)を莫大な売り上げによって確保するスタイルだからです。

仮に10億円の年商で、粗利率が10%であれば粗利益は1億円になります。
つまり2億円の年商で、粗利率50%の企業と粗利益は同じという事になるからです。

5倍も売上が違うのに粗利の金額は同じ。
あとはこの同じ粗利(金額)を残すために何人で稼いだ結果なのか?という事になります。
これでザックリとした一人当たりの年収が決まってきます。

大まかに花屋の平均粗利から、平均年収を計算してみると

一昔前は花屋の平均年商は3,000万円弱と言われていましたが、最近の統計では2,300万円くらいの様です。
仕入れ価格が高騰してきた現在の仕入れ(原価率)は60%くらいになりつつあり、そうなると粗利率は40%という事になります。

2,300万円の年商から粗利の金額を割り出すと
2,300(万円)×0.4(粗利率40%の場合)=920(万円)

どの業種でも安定した健全経営を目指す上では、粗利益の半分(50%)の金額が人件費の目安なので、粗利益が920万円であれば人件費の「総額」はその半分の460万円になります。

粗利益の半分(50%)で人件費(社長分も含む)を管理していれば、よほどの事がない限り経営破綻することは無いですよ!

また、経験上2,300万円の年商を出すには自分を含めて他に2人(合計3人)は最低必要になります。
社長を含めた完全に2人体制となると、スタッフの休日、または自分が仕入れに行っている時間や配達時間なども考慮するとなかなか上手く回すのは難しく、どうしても後一人、補助的なパートさんくらいは欲しくなります。

そうなれば当然のことながらパート代が発生します。
仮にパート代の月額5万円×12ヶ月=60万円と仮定すると

460万円(粗利から割り出した人件費に使える総額)-60万円(パート代)

これで粗利益の残りは400万円になってしまいます。
この400万円を自分(社長)と、もう一人のスタッフで折半すると一人当たり200万円(年)。

ただ、年収200万円ではスタッフに辞められてしまう可能性があるので、少しスタッフの給料に色を付けて250万円や300万円を支払ったら、自分の取り分は100万円~150万円となります。
というか、現実問題として社会保険料なども加味するとスタッフの総支給額は実際にはこれくらいにはなるでしょう。

つまり、いくら表向きは社長や代表と呼ばれていても、現実的には200万円以下の年収というのが地方の花屋の現状だったりします。

仮に仕入れをもう少し上手くやって粗利45%取れたとしても、同じ計算式では

2,300万円×0.45(粗利率)=1,035(万円)
1,035万円÷2=約520(万円)
520万円-60万円(パート代)=460万円
460万円÷2(人)=230万円

うまく仕入価格をコントロールできれば、一人あたり数十万円の年収が増えるくらいでしょうか?

こうやって会社を潰さない様にディフェンスしながら、かなり安全策の数字でシミュレーションすると、花屋スタッフの年収は200~350万円くらいというのが現実的な数字になります。

この年収では、地方在住で独身の実家暮らし、生活自体も贅沢しなければ食べては行ける金額ではありますが、かなり底辺レベルの生活を余儀なくされます。
または結婚していて配偶者とのダブルインカムであれば何とかなるでしょう。
女性で旦那さんが高給取りであれば、花が好きなのであればスタッフとして働くのはアリでしょう。

ただ、この年収を稼ぐには、給料として貰う金額よりは遥かに精神的にも肉体的にも大変と感じる事が多々あります。
つまり「花に携わる仕事ができるだけで幸せ」「花に囲まれて仕事するだけで幸せ」というくらいの、花に対する愛情の気持ちがあるかどうかが、花屋で長く働けるかどうかの分かれ道になると思います。
やり甲斐があって、それで食べて行けるのであれば、それはその人の人生としては幸せという事になるからです。

なので、単に生活の為に働くという気持ちでは、なかなか続けられない職業ではありますし、子育てや住宅ローンなども加味すると、特に男性の職業としては厳しい金額ではあります。

粗利益を高めるには

より高い粗利率を目指すのであれば方法は二つあります。

  • 仕入れ価格を抑える。
  • 販売価格を高くする。

この二択になります。

①の「仕入れ価格を抑える」に関してですが、時期による相場変動があるものの、基本的に「良い物=高い」「悪い物=安い」のは当然です。
つまり安い物を扱うのであれば、その品質から高い価格設定が難しくなるので薄利多売に陥りやすくなります。
安い物を高く売れば一時的に粗利益は上がりますが、信用部分も含めて長く商売を続けるのが困難になります。

逆に良い物をメインに取り扱うのであれば、ロス分も含めかなり高額で販売せざるを得なくなり、立地条件にもよりますがこちらも商売の存続が難しくなります。

②の「販売価格を高くする」に関しては、売れる範囲でできるだけ高い価格設定をすることによって粗利益を高めることは可能です。
後はその高い価格でも買ってくれる優良な顧客をどれだけ持っているかになります。

理想形としては、「良い物をできるだけ安く仕入れ、できるだけ高く売る」これに尽きますね。

悩ましいのが、かなりの重労働でもあるという事。男性スタッフが欲しくなる。

金銭的の面なども含めて花屋は女性のパートさんが主体となる職業ではあるのですが、それにしては仕事内容が割と重労働だというのが悩ましいところです。

先ず、定期的に店内の全ての水桶やバケツの水換えが必要になります。
単純にバケツに水が5リットル入っていれば5㎏以上、10リットル入っていれば10㎏以上の重さになります。
そこに加えて花の重量です。
しかも長めの花であればテコが発生して、より重くなります。
それを一人で何個も運んで、中を洗って水を汲み直し、また元の位置に運び、傷んだ葉などを取って花の手入れをした後に切り口を切り戻してバケツに入れる。
この切り戻す作業も、品種によっては茎がかなりの硬さになるので、相当な握力も必要になります。

可愛い花柄のエプロンを着けて
「いらっしゃいませ~。」
と言いながら、2~3本の小花を手に取って、紙に包みながらニコニコしながらお客様に販売する…なんてイメージして花屋に就職をすると、そのイメージとのギャップにいきなり打ちのめされます。
入社して1週間で辞めるなどというパターンは、割とこのギャップが理由である事が多かったですね。

その他にも、年中植物から出る「葉緑素」で指や爪は真っ黒、さらに葬儀用の生花の会場搬入などは完全なる肉体労働です。
会場がほぼ出来上がっている状況で、自分が最後に持ち込んだ生花の「送り主名」が、会場内に並ぶ送り主の中で一番偉い肩書の人だったりすると、全部の花を移動して一番前に設置しなければなりません。
当然、葬祭会館のスタッフさんにも嫌な顔をされます。
水をこぼさない様に何本、時には何十本というスタンドを移動するのは女性では無理とも言えます。

また観葉植物なども、品種によっては激重な上、長さも2メートル以上あり、土もこぼせないので搬入は気を遣います。
お客様の希望で、陶器の鉢だったりすると、非力な人なら男性でも運べないくらいの重さになります。

こんなケースを想定すると、どうしても男性スタッフがほしくなるのですが、前述の様に高い給料が払えないので、なかなか募集を掛けても人が集まらないのです。
このジレンマが花屋の悩ましい部分なのです。

しっかりとした所得を得るには

先ずはできるだけ多くの売上を作る必要がありますが、その中でも効率の良い仕事を選ぶ必要があります。
お客様は平等などとは言ってられない現実があります。
粗利の取りにくい仕事、バックマージンが大きい仕事などを避けつつ、確実に売上を作っていくのは結構大変です。

人脈作りと称して異業種との交流団体などに所属すると、たしかに知り合いが増えて注もが増える可能性もありますが、夜遅くの飲み屋への配達だったり、奥さんへの誕生日プレゼントだったり(当然少しおまけ気味にせざるを得ない上に当然年に一回)など、利益率が低い割に断りにくい注文も増えてきます。

販売単価の低い花屋は、異業種団体に所属するメリットは低いと言わざるを得ません。

団体の付き合いでスナックなどに行けば、閑散期の一日の粗利益など一撃ぶっ飛ぶ場合もあります。

それでは、どのような顧客や仕事がベストなのか?
理想として話せば「大きめの法人」「富裕層」の二択になるかと思われます。
経費として料金を支払ってもらえる「法人」は、手数料や配達料などを請求してもしっかりと支払ってくれます。
これは「富裕層」にも言える事です。

また、これらの顧客は「高くても良いから恥ずかしくない良い物」でお願いします!といった注文のされ方をしてくれます。
この段階で花屋としては気持ちがかなり楽になります。
通常は、「できるだけ安く、そしてできるだけ良い物。」といった、矛盾した注文にさらされている事が多いので、良いものを安心してしっかりと仕入れる事ができます。

この様な、金額が高く、粗利も高いといった仕事を選んで経営しなければ、社長、スタッフ共に年収を上げていく事は難しくなります。

それでも、日本の平均年収(487万円:男性587万円、女性333万円)と同等の金額を貰っている(支払っている)という話は社長も含めてほとんど聞いたことがありません。
地方の花屋であれば体感的に男性250万円、女性200万円以下が現実的な数字で、せいぜい男性スタッフで、日本人女性の平均年収333万円が良いところではないでしょうか?

正直、これが花屋の給料体系の現実ですので、よほど花が好きなどでない限りは長く働くことは難しい業界とは言えますね。

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この記事を書いた人

55歳で人生の第一章を終わらせ、これからの第二の人生を模索中の元経営者。
約40年花の仕事に携わり、20年の社長業を経て、黒字経営のままで廃業した経験を元に発信します。

これからの時代を生きる若者たちが、今後は自分で起業するのが良いのか?それとも会社に勤めるのが良いのか?
と悩んでいる場合の参考になれば良いなと思っています。

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