始めたばかりの頃の仕入れは、仲卸市場からの購入になります。
まだショップを始めたばかりの頃は、販売力も小さい事から仲卸市場で小分けのロットにしてもらっての仕入れになる事が殆どです。
市場によっても違いはあるかもしれませんが、買参番号を取得し、セリでの仕入れに移行できるのは仲卸市場からの年間買上(規定の金額分の購入)実績を積んでからになります。
仕入れ方法は、仲卸とセリの二択が基本となりますが、どちらにもメリットとデメリットがあり、仲卸では小分けにして販売する分、売れ残るリスクがあるので大卸から購入した金額に10%~数10%の手数料を上乗せして販売する為、1本の単価で考えればセリで自ら購入した商品と比べて20~30%くらい高い仕入れになります。
但し、セリでの購入は1本単価であれば金額を安く抑えられるメリットがありますが、販売ロット数が50本や100本、多いものだと200本という物もあり、同一商品で同色の物を100本売る販売力が必要になります。
例えば、白のスプレーマム(菊)を100本購入したとしても、それだけで商品が作れる訳ではないので、他の品種やその色違いまで含めると、合計で数百本を仕入れてからの販売になるので、それを捌き切る力が無ければ当然ロスの方が多くなり、それなら仲卸市場から必要な分だけ仕入れるという方が得という事になります。
100%仲卸市場での仕入れになると粗利はなかなか上げにくい
セリはギャンブル的な要素も含まれている為、需要が下がった時にたまたま生産が過剰になったりすると大暴落する場合もあります。
とは言っても、現在では情報の伝達が早い為、昔の様に大暴落する場面が激減しているのも確かですが…。
その大暴落時に上手く買えれば、通常の数分の一で購入できるものの、ただその様な時は大抵需要期ではない為、余程タイミングよく仕事が入ってなければ結局廃棄する事になってしまいます。
それに比べて仲卸市場での仕入れでは、とんでもなく安く買えるという事は皆無になります。
例えば大暴落時に仲卸市場がセリで安く買ったとしても、仲卸の店頭では通常通りか、やや普段より安いくらいで販売するからです。
本来、大卸から買った金額の1割掛けくらいで販売するのが仲卸の基本ではあるのですが、商売である以上こんな時には数倍掛けで販売します。
なので、仲卸市場から仕入れている花屋さんは仕入れ価格が安定して高い事から、顧客に安く提供する事が難しくなり、その分、価格ではなく技術力や品質で勝負せざるを得なくなります。
この段階で安い自家消費用の花を求める顧客は減り、自宅用でも品質の良い物、またはプレゼントの様なギフト用の顧客を獲得する必要性が出てきます。
つまり、自ずと販売する顧客の層を選別する必要性が出てくる訳です。
質や技術を求められるので大変な面もありますが、とにかく安い物を求める顧客に比べると、納得すればしっかりと金額を出してくれたり良い面もたくさんあります。
とにかく安い物を求める顧客は、安くて長持ちして…と無理難題を突き付けてくる様な「お金は出さないけれど口はよく出す」タイプが多い為、それに比べれば価値にお金を支払ってくれる良い客層との取引は精神的には楽な事が多かったりします。
これからフラワーショップを開業しようと思っている方は、やや高級路線の経営一択かな?と思います。安い商品での勝負は大資本には絶対に勝てませんので。
その分、知識を付け、技術も身に付けて価格で勝負しているところとは差をつけていく必要性が出てきますので、その努力は必ず必要になってきます。
今回は仕入れの方法を紹介してみました。
こうして仕入れて販売していった場合の原価率・粗利などは?
それは、またの機会に紹介したいと思います。
コメント